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本格的なデジタルファブリケーション機器の導入で学生の学習意欲とメンテナンス性の向上を実現

愛知淑徳大学の人間情報学部人間情報学科・感性工学専攻では本格的なプロトタイピングを行えるデジタルファブリケーションルームを開設。2025年度には感性工学を取り入れた新しいカリキュラムも始まりました。そこで使用する3Dプリンターやレーザー加工機などの機器を導入させていただきました。

UVプリンターや3Dプリンター、デジタルミシン、レーザー加工機等が並ぶデジタルファブリケーションルーム

スタッフの負担を減らし効率的に授業を行うには扱いやすく、メンテナンスしやすい機器の導入が必要だった

2017年に『デジタルファブリケーション演習』を開始し、3Dプリンターの導入を進めましたが、当時の機材ではデータ作成はできるものの出力時間がかかりすぎるため、学生に待ち時間が生じ、授業時間内に課題が終わらないという問題がありました。また、メンテナンスの負担も大きく、ノズル詰まり等のトラブルが頻発しました。
翌年には、複数台の3Dプリンターを導入することで待ち時間の問題には対応できましたが、これまで以上にメンテナンスの負担は増大しました。
その後、機材や設備の見直しが本格化し、2023年に様々な素材に対応できる機材を導入することで、学生の要望に応えられる環境を整備しました。具体的には、メタリック印刷やプラスチック印刷が可能なUVプリンター、硬い素材を加工できるレーザー加工機、電子ミシンなどです。
これにより、アウトプットの種類を増やし、学生の多様な興味や得意分野に対応できる環境を整えることができました。また、質感や素材感にこだわることで、プロトタイピングの完成度を高めることも可能となりました。
 
今回の導入では、メンテナンスの負担を軽減できる、扱いやすい機材を選定することが重要でした。そこで、事前にメーカーにヒアリングを行い、運用面での負担を軽減できる機器を設置したことで、利用しやすいデジタルファブリケーションルームとなりました。さらに、助手のサポート体制を整えスムーズな授業運営を実現しました。
2025年度からは『感性プロトタイピング演習』を開講し、感性工学を取り入れた3年生向けのカリキュラムを強化します。デジタルファブリケーションでのプロトタイピングを通じて、五感で感じることの重要性を学んで欲しいと考えています。

光造形3Dプリンターで制作した作品を洗う水回り

光造形作品の洗浄前(左)と洗浄後(右)

布の自動前処理機(左)と専用プリンター(右)

高精度な切断・彫刻等が行えるレーザー加工機

2色造型や異材種造形が可能な積層式3Dプリンター

PCルームで使用している積層式3Dプリンター

学生は授業だけではなく授業外でも発展的に活用している電子システムには最新事例等の情報提供を期待している

学習意欲の向上と発展的な取り組み
今回の導入により、現在考えられる理想的な環境が整いました。学生たちは卒業研究やオープンキャンパスだけでなく、イベント等でも機器を活用する機会が増えました。その結果、スキルが向上し、これまでは単に「作ること」に満足していた学生が、色や形の組み合わせを考え、より完成度の高いものを目指すようになりました。さらに、制作物の大型化や複雑化が進み、単なる課題制作にとどまらず、創作自体を楽しむ姿勢が見られるようになったことも、大きな成果の一つです。今後は、グループワークの中でさらに相乗効果が生まれ、お互いに刺激し合いながら質の高い作品が生み出されることに期待しています。
今後の課題としては、さらなる機器の活用と学生のスキルアップです。機材のローカルアップデートが発生した際の対応を適切に行い、学生がより発展的な課題に取り組めるようにしなければなりません。また、現在は、授業を履修している学生しかデジタルファブリケーションルームを使用できないため、より多くの学生が体験できる環境づくりも必要です。導入的な科目にとどまらず、より高度な技術を学べる発展的な科目があると、学生の成長を促進できると考えています。
 
電子システムに対する期待
機材のリプレイスを進める際に、管理体制を見直す必要がありましたが、電子システムさんは学内の他部署との連携が可能で、トラブル時の対応が迅速であることが評価されています。また、他の業者やメーカーとの調整を行ってもらえるため、スムーズに運用できることも大きなメリットです。
髙原教授は最後に「他大学や企業などの成功事例や効果的な活用方法など具体的な情報があれば、より実践的な学びに繋げることができます。電子システムさんには、このような情報提供にも期待しています」と語ってくださいました。

試作した感性工学のプレート

学生が制作した3D 造形の玩具

今回導入した主な機器
・光造形3Dプリンター「ProJet MJP2500」
・積層式3Dプリンター「MF-2200D」
・積層式3Dプリンター「MF800」
・溶剤プリンター「BN-20」
・UVプリンター「LEF-200」
・ガーメントプリンター「GTX Pro」
・自動転写プレス機「AF-54TEN」
・自動前処理塗布機「TheCube」
・業務用刺しゅう機「PRT1501」
・レーザー加工機「Speedy300」

ユーザーの声

PC教室の改修に合わせて、隣にデジタルファブリケーションルームを設けることになりました。当初は、カーテンで仕切る予定でしたが、授業時間外の利用を考慮して、途中で壁で区切る設計に変更しました。また、改修後に機器を設置する際に、平面図と現場のズレがあることもわかり、配線や電力供給、水回り設備の設置で問題が生じました。保守・メンテナンスの計画も事前に立てる必要があり、電子システムさんにサポートいただき、大変助かりました。

髙原美和様(愛知淑徳大学 人間情報学部 教授)

導入のポイント

  • メンテナンス負担の軽減と扱いやすい機器の選定
  • 柔軟に対応できる設備の施工と機器の設置
  • 学内の他部署やメーカーとの調整及びスムーズな運用サポート

 


導入先データ(取材当時)

  • 名称:愛知淑徳大学 長久手キャンパス
  • 住所:愛知県長久手市片平二丁目9
  • 学長:島田 修三
  • URL:https://www.aasa.ac.jp/

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